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2006年10月 6日 (金)

NO SIDE 第11話~突然のデート3~

ミウのおばさんは、黙って僕たちの会話を
聞いていたが、飲み物がなくなったのを見ると、
新しい飲み物を持ってきた。

「ありがとう、おばさん」
「ミウちゃんさ…、これからどうするの?」
「そうだね…。とりあえずここには住めそうだから、
もっとバイトを増やして…、何とか大学は続けるわ」

僕はずっと気になっていたことを
ミウに聞いてみた。
「あのさ…。ミウのご両親は?」
その質問には、ミウではなく、
おばさんが答えた。
「ミウちゃんの両親は、ミウちゃんが中学の時に
亡くなっているの」
「えっ!…両親ともですか?」
「そう。不幸な事故でね。
それからミウちゃんは、おばあちゃんと
ずっと二人で暮らしてきたのよ。
こう見えてこの子、苦労してんのよ」
「それじゃ、おばあちゃんが亡くなってしまったら…」
「そう…。一人になっちゃたね。ミウちゃん」
そんなおばさんの言葉にミウは、
「私は大丈夫よ。
おばさんが近くにいてくれるし、
おばあちゃんがいなくなって寂しくないって言えば
ウソになるけど…、私は大丈夫」
と自分に言い聞かせるように言った。
そしてまた一言「大丈夫」と繰り返した。

(…バイトしていたのは、学費のためだったのか)

僕はなぜミウが外で強がっているのか
わかったような気がした。
彼女はきっと甘える事が出来ないのだ。
自分が生きていくことに必死なのだ。
だから、強がることで心のバランスを
保っているのだと思った。
きっと自分のエリアの中に誰かが入ってきたら、
というより、誰かをそこに入れてしまったら、
自分が壊れてしまうという思いで、
あんなに強がっていたのではないかと。

僕はミウの家からの帰り道、
ずっとそんな事を考えていた。
そんなミウの心を知ってしまったあの時に、
きっと僕はミウに恋をしたのだと思う。

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